昨日はどれだけの人が空を見上げたことだろう。

「ブルーインパルス が新型コロナウイルス感染症に対応中の医療従事者の方々をはじめ、多くの人へ敬意と感謝をお届けするため、東京都区部を中心に編隊による航過飛行を行う」という情報を友人が知らせてくれた。

ちょうど仕事場に向かう途中で遭遇。
あまりの美しさに写真に納めるという考えも浮かばず見とれてしまいました。
後に残る飛行機雲の筋が次第に空気に散らばってぼやけてゆくと、側で見ていた男性が「もうすぐ、またくるよ」と言って方角を示してくれました。

ソーシャルディスタンスという言葉が定着するにつれ、必要以上に、あるいは心のディスタンスまでが広がる気がしている中、こうして知らない人間同士が自然に会話をし、一瞬でも気持ちを通わせる感覚が嬉しかった。

実は知人が亡くなり、本日が火葬の予定。
生前は無類の飛行機野郎でした。
まるで天が弔いのために用意してくれたタイミングのよう。
きっと肉体を離れた魂は上空で爆音よりも速く風を追い越し、自由を満喫したことでしょう。

そして街中の人が外に出て空を見上げてる姿は、コロナからの解放みたいで、
大袈裟だけど、終戦のあとの青空って少しこんなだったのか…とか、いろいろ想いが巡りました。

新型コロナウィルス感染を広めないよう、まだまだ気を緩めてはいけないけれど
青空の下でみんなが普通に会話をし、普通に触れ合い、普通に心を通わせられることへの愛おしさが
飛行機雲のように、いつまでも私の胸に美しい筋を描いています。

 

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