今朝のNHK Eテレ「日曜美術館」は「疫病をこえて 人は何を描いてきたか」というテーマでした。
今も法隆寺にある釈迦三尊像は7世紀前半に聖徳太子の病の回復を願って造られたそうです。
それは日本の美術の出発点と言われ、その後、数々の美術は疫病と向き合って発展していったと考えられています。
その後、12世紀末になると疫病を描いた絵画が生まれました。
国宝「辟邪絵 天刑星」(画像はウィキペディアより)
中央に疫病を退治する神様が描かれ、周囲に描かれた小鬼(=疫病)をとっては食べてます。
興味深いのは神様の傍らにはなみなみとお酢の入った桶が置かれ、小鬼たちをお酢に浸しては食べている。お酢の殺菌パワーですね(^^)
もちろん、日本だけでなく世界各地で疫病をきっかけに人々は死生観、宗教観などを育んできました。絵画、建築、祭りなど、美術への影響も大きかったのですね。
闇が深ければ深いほど強い光を求め、より美しい美術として花開いていったのではと、番組ではコメントしていましたが、本当にそうですね。
今のコロナ感染拡大も、まずは早く終息することを願います。
そして略奪や疑心暗鬼や排他思想といったさらなる「闇」ではなく、新しい光を見出す明るい世界になりますように。
昔、害虫の大量発生により農作物がやられ大飢饉になりました。この「天保の大飢饉」と同じ頃に江戸ではコレラが大流行。
恐ろしい数の死者の霊を慰め災厄を祓うために、時の将軍8代徳川吉宗は翌年に両国で水神祭を行い、それが今に伝わる隅田川花火大会の始まりだと言われています。
今年の夏の花火大会はどんな光に満ちるのだろう。
どうか、無事に花火大会が開けることを願うばかりです。
これ以上、闇を長引かせないためにも、今は苦しくともしっかり我慢するべきを我慢し、やるべきをやらなければ…ですね。
とうとうと流れる隅田川。
山と海をつなぎ、時をこえて人々の願いをつないでいるようです。