終戦の日にFBに書いたことですが、このところの物騒な雰囲気の中、平和への願いが増々強まります。

 

伊吹山周辺には昔ながらの薬草名人たちがいて、それぞれの家庭で薬膳、日々の健康茶や入浴剤などを今に伝えています。

そんな中で出会った直人さんは伯母さまのハーブレストランを手伝いながら、せっとと畑仕事に勤しんでいます。
「伯母にくっついて植物の勉強をはじめてまだ一年足らず。まだまだです」と言う直人さん。

実はこれまで直人さんは国内外で花火職人として活躍していました。
ところがオーストラリアで仕事をしている最中に体調を崩し帰国。それからの人生を考えるうちに、自然な流れで地元・伊吹山で和のハーブに携わるようになったとか。

花火職人とハーブ。

一見なんの関係もなさそうですが…
「実は歴史を辿れば、関係が無くもないんですよ」と、直人さんは語ります。

その昔、織田信長が伊吹山に薬草園を作らせたことは知られています。
もちろん医療のための薬草もあったでしょうが、その一方で麻や松を始めとして、ハーブは火薬の原料になるものが少なからずあるようです。

信長といえば「鉄砲」というイメージが強いですね。
なるほど…信長は戦に備えていたのでしょう。

そうした火薬技師たちも、戦国時代を経て、泰平の世が訪れるとお役御免になり、やがて花火職人になっていったという話です。

それから何百年も後、花火職人からハーブへの道へ…
偶然では片付けられない不思議を覚えます。

うっかりすると「雑草」扱いされてしまう身近な植物たち。
そんな植物を用いて、日々の健康を願いながら「普通の暮らし」を支えてゆこうとする直人さんは生き生きしていました。

余談ですが、隅田川で初めて花火大会を開いたのは八代将軍・徳川吉宗。
疫病と飢饉で亡くなった沢山の民を慰霊するための花火大会はやがて、市民の楽しみとなり、また平和・無事への祈りとなりました。

これからもずっと、私たちの暮らしを支える恵みや人のワザが良きことに使われますように。

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鈴木万由香